专利摘要:
本開示は、可溶性CD200のレベルを測定するために被験体からの生物学的液体をアッセイする段階を含む、CD200のレベルの上昇を有する被験体および/またはCD200を過剰発現する細胞を含む被験体を同定するための方法であって、対照を上回るレベルによって、被験体がCD200のレベルの上昇を有することが示される方法に関する。CD200に関連する医学的状態に関する、診断方法、予後をモニターする方法、および治療方法も提供される。本開示はまた、CD200の上昇に関連する医学的状態および/またはCD200を過剰発現する細胞を含む医学的状態の診断において有用なアッセイ法およびキットを提供する。
公开号:JP2011516840A
申请号:JP2011502199
申请日:2008-07-29
公开日:2011-05-26
发明作者:カリー;カ;ワイ ウォン;レジナルド;エム. ゴーシンスキー
申请人:トリリウム セラピューティクス インコーポレーティッド;
IPC主号:G01N33-53
专利说明:

[0001] 本開示の分野
本開示は、体液を含む生物学的液体中で認められるCD200の可溶性形態の検出、ならびにCD200のレベルの上昇に関連する医学的状態、例えば癌を診断するために、およびモニターするために有用なアッセイ法に関する。]
背景技術

[0002] 本開示の背景
CD200は、様々な細胞型において広く発現している膜貫通表面タンパク質であり、単球/骨髄細胞およびTリンパ球上で発現される受容体(CD200R)への結合を介して免疫調節シグナルを伝達する。CD200Rの刺激は、関節リウマチ、狼瘡、喘息を含む自己免疫疾患の処置においてならびに移植拒絶反応および胎児死亡において医学的に興味深い、免疫抑制反応の引き金を引く。]
[0003] CD200:CD200Rカスケードの阻害は、CD200を介した免疫抑制を阻害し、それ故免疫応答を増大させる。したがってこの相互作用を分断させる作用物質は、感染症および癌、特に白血病、多発性骨髄腫およびリンパ腫を含む造血器癌ならびに黒色腫および他の癌の処置にとって興味深い(Moreauxら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2008, 366:117-22(非特許文献1))。特定のAML腫瘍細胞は、このタイプの腫瘍についての診断指標(diagnostic)となり得る、上方調節されたレベルの膜結合性CD200を示すことが示唆されている。また、様々なグループが、CLL、多発性骨髄腫および黒色腫に関連する、細胞性CD200(cellular CD200)の過剰発現を報告している(Petermannら, J. Clin. Invest., 2007, 117(12):3922(非特許文献2))。]
[0004] 膜結合型タンパク質として、細胞性CD200は、フローサイトメトリーまたは免疫組織化学染色法などの、細胞または組織に基づくアッセイ法を用いて検出することができる。CLLを呈する被験体において細胞表面CD200の過剰発現を検出するためのこれらの技術の使用は、例えば2005年6月16日公開のBowdishらのUS2005/0129690(特許文献1)において示唆されている。しかし、特にCD200が健常被験体と比べて過剰発現している腫瘍および他の医学的状態に罹患している被験体において、CD200の検出を容易にする、簡単な形式の方法を提供することは望ましいと考えられる。]
[0005] US2005/0129690]
先行技術

[0006] Moreauxら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2008, 366:117-22
Petermannら, J. Clin. Invest., 2007, 117(12):3922]
[0007] 本開示の概要
ここで、CD200の可溶性形態は、血清を含む生物学的液体において検出可能であることが見出された。さらに、CD200を過剰発現する癌を呈する被験体の血清において検出可能なCD200のレベルは、対照被験体の血清において検出可能なCD200のレベルを上回る。本開示は、それ故、被験体から抽出した生物学的液体試料において実施される、被験体から抽出した試料において可溶性CD200を検出するために有用なアッセイ法を提供する。本開示はさらに、CD200のレベルの増加に関連する医学的状態、ならびに/またはCD200を過剰発現する細胞および/もしくは腫瘍に関連する医学的状態を有するかまたはその危険性がある被験体を同定するための方法を提供し、該方法は、被験体において可溶性CD200のレベルを測定する段階、その可溶性CD200のレベルを対照被験体における可溶性CD200のレベルと比較する段階を含み、ここで、可溶性CD200のレベルの上昇は、CD200に関連する医学的状態についての診断指標となる。本開示はさらに、治療の間および治療の後などの、そのような医学的状態の進行または退縮について被験体をモニターするためのアッセイ法の使用を提供する。また、最初に本開示のアッセイ法を用いて被験体を診断し、次に処置する、例えばCD200:CD200Rシグナル伝達カスケードを阻害するように処置する、治療方法が本開示によって提供される。]
[0008] したがって、本開示は、その局面の1つにおいて、被験体からの生物学的液体を、可溶性CD200に特異的に結合する作用物質と接触させる段階、およびその結合を検出して可溶性CD200のレベルを測定する段階を含む、可溶性CD200のレベルを測定するための方法を提供する。]
[0009] 別の局面では、本開示は、可溶性CD200のレベルを測定するために被験体からの生物学的液体をアッセイする段階を含む、CD200のレベルの上昇を有する被験体を同定するための方法を提供し、ここで、対照を上回るレベルは、被験体が可溶性CD200のレベルの上昇を有することを示す。]
[0010] 別の局面では、本開示は、可溶性CD200のレベルを測定するために被験体からの生物学的液体をアッセイする段階を含む、細胞性CD200を過剰発現する細胞を有する被験体を同定するための方法を提供し、ここで、対照を上回るレベルは、前記細胞の存在を示す。]
[0011] 関連局面では、本開示は、
a)被験体から生物学的液体試料を得る段階;および
b)前記試料中の可溶性CD200のレベルを測定する段階
を含む、CD200の上昇に関連する医学的状態を有するかまたはその危険性がある被験体を同定するための方法を提供し、ここで、対照を上回る可溶性CD200のレベルは、前記医学的状態を示す。]
[0012] 別の局面では、本開示は、
a)最初の時点で、被験体からの最初の生物学的液体試料中の可溶性CD200のレベルを測定する段階;および
b)最初の時点とは異なる2番目の時点で前記被験体から採取した後続の生物学的液体試料中の可溶性CD200のレベルを比較する段階
を含む、被験体におけるCD200の上昇に関連する医学的状態の進行をモニターするための方法を提供し、ここで、2番目の時点と最初の時点とを比較した場合の可溶性CD200のレベルの差は、状態の進行変化を示す。]
[0013] さらなる局面では、本開示は、
a)本開示のアッセイ方法によって測定される通りに、細胞性CD200を過剰発現する細胞を有する被験体を同定する段階、および
b)CD200:CD200R経路を介したシグナル伝達を阻害する作用物質によって、被験体を処置する段階
を含む、細胞性CD200の過剰発現に関連する医学的状態の進行を制御するために有用な治療方法を提供する。]
[0014] 別の局面では、本開示は、
a)本開示のアッセイ方法によって測定される通りに、CD200のレベルの上昇を有する被験体を同定する段階、および
b)CD200:CD200R経路を介したシグナル伝達を阻害する作用物質によって、被験体を処置する段階
を含む、CD200のレベルの上昇に関連する医学的状態の進行を制御するために有用な治療方法を提供する。]
[0015] 本開示の尚さらなる局面では、
a)被験体から生物学的液体試料を得る段階;
b)試料を、可溶性CD200に結合する作用物質と反応させる段階;
c)結合した可溶性CD200を検出する段階;および
d)試料中の可溶性CD200のレベルを、対照における可溶性CD200のレベルと比較する段階
を含む、細胞性CD200を過剰発現する細胞に関連する医学的状態、および/または細胞性CD200を過剰発現する細胞によって媒介される医学的状態の診断において有用なアッセイ法が提供され、ここで、前記医学的状態を有する被験体は、対照における可溶性CD200のレベルと比べて試料中のより高い可溶性CD200のレベルによって示される。]
[0016] 本開示の尚さらなる局面では、
a)被験体から生物学的液体試料を得る段階;
b)試料を、可溶性CD200に結合する作用物質と反応させる段階;
c)結合した可溶性CD200を検出する段階;および
d)試料中の可溶性CD200のレベルを、対照における可溶性CD200のレベルと比較する段階
を含む、CD200のレベルの上昇に関連する医学的状態の診断において有用なアッセイ法が提供され、ここで、前記医学的状態を有する被験体は、対照における可溶性CD200のレベルと比べて試料中のより高い可溶性CD200のレベルによって示される。]
[0017] 本開示のさらなる局面は、可溶性CD200のレベルを測定するために被験体からの生物学的液体をアッセイする段階、および参照レベルと比較する段階を含む、癌などのCD200関連疾患、例えばCLLを有する被験体において予後を判定するための方法に関連し、ここで、参照レベルを上回るレベルは、予後不良を示す。]
[0018] また、可溶性CD200に結合する抗体と、生物学的液体試料中の可溶性CD200のレベルを測定する際のその使用についての指示書とを含むキットが本開示によって提供される。]
[0019] 1つの態様では、キットは2つの抗体、例えば捕捉抗体と検出抗体とを含む。1つの態様では、捕捉抗体はラットモノクローナル抗ヒトCD200抗体である。別の態様では、検出抗体はウサギ抗ヒトCD200抗体である。]
[0020] 本開示の態様では、生物学的液体試料は血清試料である。他の態様では、医学的状態は癌である。具体的態様では、癌は、CLL、AML、MMまたは黒色腫である。]
[0021] 特定の態様では、CD200の上昇は、細胞性CD200の上昇を含む。他の態様では、CD200の上昇は、可溶性CD200の上昇を含む。さらなる態様では、CD200の上昇は、細胞性および可溶性CD200の上昇を含む。]
[0022] 他の態様では、CD200:CD200R経路を介したシグナル伝達を阻害する作用物質は、CD200に結合してCD200を阻害する抗体および/またはCD200受容体(CD200R)に結合してCD200Rを阻害する抗体である薬剤である。]
[0023] 好ましい態様では、CD200はヒトCD200である。]
[0024] 本開示の他の特徴および利点は以下の詳細な説明から明らかになる。しかし、詳細な説明および具体的な実施例は、本開示の好ましい態様を示すが、本開示の精神および範囲内での様々な変更および修正がこの詳細な説明から当業者に明らかになるので、単に例示としてのみ与えられるものである。]
図面の簡単な説明

[0025] 本開示の上記および他の局面を、添付の図面を参照してここでより詳細に説明する。
CD200の細胞外ドメインを標的とする本開示のアッセイからの結果の図である。
細胞性CD200を構成的に発現するCLL株であるLy5の上清のアッセイからの結果の図である。
CLL被験体および健常被験体における可溶性CD200の検出レベルの差を示す図である。
CLL被験体における可溶性CD200の上昇と白血球数の上昇との間の相関を示す図である。]
[0026] 本開示の詳細な説明
本開示は、可溶性形態のCD200、すなわち細胞膜結合性ではない形態のCD200が、生物学的液体において、特に血液、なかでも血清において都合良く検出可能であるという発見に基づく。本開示は、それ故、被験体から抽出した生物学的液体においてこの可溶性形態のCD200、すなわち「可溶性CD200」を検出するために有用なアッセイ法を提供する。本開示の局面では、このアッセイ法は、一般的に医学的状態、特にCD200のレベルの上昇に関連する医学的状態、および/またはCD200を過剰発現する、癌性のメラノサイト、リンパ球および白血球などの細胞に関連する医学的状態の診断および予後のために利用される。可溶性CD200の上昇は、特に、CD200のレベルの上昇に関連するかまたはCD200を過剰発現する、造血器癌のバイオマーカーとして有用である。]
[0027] 本明細書で述べる方法は、可溶性CD200のレベルの増加および低下を検出するために有用である。]
[0028] 1つの局面では、本開示は、被験体からの生物学的液体を、可溶性CD200に特異的に結合する作用物質と接触させる段階、およびその結合を検出して可溶性CD200のレベルを測定する段階を含む、可溶性CD200のレベルを測定するための方法を提供する。]
[0029] 本明細書で使用される「CD200」という用語は、任意の種または供給源からのCD200を包含し、かつ完全長CD200ポリペプチドならびに該ポリペプチドのフラグメントまたは部分を包含する。「CD200」という用語は、以前は「OX-2」と称されたが、命名法に変更があった。「CD200」および「OX-2」の両方が、本出願では交換可能に使用され得る。CD200ポリペプチドのヒト形態は、UniProtアクセッション番号P41217を有するポリペプチドであり、成熟形態では、切断された分泌シグナル(残基1〜30)および本質的にまたはおおよそ残基31〜232からなる細胞外ドメインを含む、プロセシングされていない278merのポリペプチドである。このタンパク質は、CD200またはOX-2についての公知の公開された配列の任意のものを有し得る。例えば、CD200配列はGenBankから入手できる。ヒト配列はアクセッション番号M17226 X0523を有する;ラット配列はアクセッション番号X01785を有する;およびマウス配列はアクセッション番号AF029214を有する。]
[0030] 本明細書で使用される「可溶性CD200」または「sCD200」という用語は、細胞の細胞膜に膜貫通タンパク質として結合しておらず、生物学的液体中で検出可能であるCD200を指す。理論に拘束されることを望むものではないが、可溶性CD200は、細胞膜から脱落したまたは切断されたCD200の細胞外ドメインまたはその部分を含み得る。したがって、例えば以下で述べる1B9抗体によって認識されるエピトープを含む、可溶性CD200に含まれる細胞外ドメインの任意の部分が検出され得る。]
[0031] 本明細書で使用される「細胞外ドメイン」という用語は、例えばアミノ酸31〜232、またはその部分、例えばアミノ酸31〜61、62〜91、92〜121、122〜151、152〜181、182〜211、および/または212〜232等を含む、細胞の外側表面上に存在するCD200の部分を指す。]
[0032] CD200は、ある被験体におけるCD200の可溶性レベルが、適切な対照におけるCD200の可溶性レベルを上回る場合、その被験体において「過剰発現している」、「増加している」、「上方調節されている」または「上昇している」とみなされる。ある細胞または腫瘍は、その細胞の表面上のCD200の濃度、またはその細胞におけるCD200ポリペプチドまたはメッセージの存在量、および/または放出されたもしくは脱落した量が、そのタイプの対照細胞において認められるレベルを上回る場合、CD200を過剰発現すると称される。細胞表面CD200の存在は、標識CD200抗体による染色または選別によって測定され得る。細胞内CD200ポリペプチドの存在量は標準的な免疫ブロット法によって測定でき、細胞内メッセージの存在量は標準的なハイブリダイゼーション技術によって測定できる。本明細書で述べるように、細胞表面から放出されたまたは脱落したCD200の存在量は、可溶性CD200の存在量を検出することによって測定できる。]
[0033] 本明細書で使用される「被験体」という用語は、動物界のすべてのメンバーを包含し、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトである。]
[0034] 「CD200に関連する医学的状態」という用語は、可溶性CD200および/または細胞性CD200のレベル増加を含む、CD200のレベル増加に関連する任意の癌を指す。]
[0035] 1つの局面では、本開示は、被験体から生物学的液体試料を得る段階;およびその試料中のCD200の可溶性形態の存在を検出するために試料をアッセイする段階を含む、CD200を検出するためのアッセイ法を提供する。CD200の可溶性形態は、おそらく、細胞膜結合性であるCD200の形態に由来し、特に対照より高いレベルでその表面上にCD200を生成する細胞から脱落する。生物学的液体中で検出可能な可溶性CD200は、それにもかかわらず、細胞膜結合性CD200の細胞外ドメインに結合する作用物質を使用して検出することができる。CD200の2つの形態を区別するために、本開示は、膜結合形態ではない可溶性のCD200を識別するために「可溶性CD200」という用語を使用し、細胞膜結合形態および/または細胞内形態のCD200を識別するために「細胞性CD200」という用語を使用する。]
[0036] 本開示の可溶性CD200アッセイ法は、免疫アッセイ法であり得るか、または生物学的液体試料中の標的ポリペプチドを検出するために確立された多くの他のアッセイ形式の任意の1つであり得る。態様では、生物学的液体はヒト被験体から抽出され、アッセイ法は、したがって、可溶性CD200のヒト形態を検出するように設計される。アッセイ法はまた、家畜およびペットを含む他の哺乳動物に天然のCD200の他の形態を検出するためにも適用できる。]
[0037] 「生物学的液体」または「生物学的液体試料」という語句は、例えば血清および/または血漿を含む全血または分画された血液を含む血液などの体液を、限定を伴って含む、可溶性CD200が検出され得る任意の液体試料を指す。例えば、生物学的液体は、例えば赤血球および/または白血球を含む細胞成分を除去するために当技術分野において公知の多くの方法によって分画できる。生物学的液体または体液は、選択的に、脊髄液、尿、気管支肺胞洗浄液(BAL)、唾液、腹水、精液等を含む、細胞性CD200を呈示する細胞からCD200の可溶性形態がその中に脱落し得る任意の液体であり得る。また、可溶性CD200が存在し得る培地、例えば遠心された培地上清も包含される。]
[0038] 1つの態様では、生物学的液体試料は全血試料である。別の態様では、生物学的液体試料は、血漿または血清画分を含む分画された血液、特に可溶性CD200を含有するもしくは含有することが疑われる血清もしくは任意の血清、血漿、または全血画分である。1つの態様では、生物学的試料は未希釈の(neat)血清を含む。]
[0039] 本明細書で使用される「未希釈の血清」という語句は、希釈されていない血清を指す。]
[0040] 態様では、生物学的液体試料は、細胞性CD200を有する細胞を含め、本質的におよび/または実質的に細胞を含有しない。例えば、血液を真空管に吸い込み、血餅を形成させて、遠心分離し、生じた実質的に無細胞の血清を分離するおよび/または適切な容器に移すことによって血液試料から細胞を除去し得る。特段の態様では、生物学的液体試料は、全血をろ過または分画して赤血球を除去した場合に生じるように、血液中に存在する可溶性因子を含有する。1つの態様では、試料は実質的にリンパ球を含有しない。別の態様では、試料は実質的に骨髄系細胞を含有しない。]
[0041] 本明細書で使用される「実質的に含有しない」または「本質的に含有しない」という用語は、細胞を全く有さないまたは重量/液量比で低レベルの細胞を有する試料を意味する。例えば、血液試料に関して、実質的に含有しないまたは本質的に含有しないとは、任意の残存する細胞がもとの細胞集団の約1%未満であり、重量/容量比で試料の約5%未満および/または任意で1%未満を含むように赤血球および白血球が除去されていることを意味する。]
[0042] 本明細書で使用される「対照」および/または「適切な対照」という用語は、健常である被験体および/または関連する医学的状態もしくは関連する医学的状態の増加した危険性を有さない被験体、健常である被験体および/または関連する医学的状態もしくは関連する医学的状態の増加した危険性を有さない被験体から得られる試料、または該被験体に由来するレベルを包含する。例えば、医学的状態が白血病などの癌である場合、対照は、白血病もしくはCD200増加に関連する他の状態を有さない被験体からの試料、および/または白血病もしくはCD200増加に関連する他の状態を有さない被験体におけるCD200のレベルを反映する値である。典型的には、対照試料は、試験被験体の試料の種類に一致する。例えば、CD200についてアッセイされる被験体の試料が血清試料である場合、対照試料は、典型的には血清試料である。本明細書で使用される「関連する医学的状態」は、可溶性CD200の増加または上昇に関連する任意の状態を指す。本明細書で使用される「対照被験体」は、健常である被験体もしくは被験体の群および/または関連する医学的状態を有さない被験体もしくは被験体の群であり、「対照試料」は、対照被験体に由来する試料であり、かつ「対照レベル」は、対照試料または対照被験体における可溶性CD200のレベルである。]
[0043] 本出願は、対照被験体における可溶性CD200のレベルが、希釈されていないまたは未希釈の血清において平均で0.427086ng/ml(p<0.0001)であり、1例を除くすべての症例において1ng/ml未満であることを開示する。CLL患者における平均可溶性CD200のレベルは、希釈されていないまたは未希釈の血清において2.10323ng/ml(p<0.0001)であり、大部分の症例において1ng/mlを上回った。]
[0044] したがって、1つの態様では、対照レベルは、0.4ng/ml、0.5ng/ml、0.6ng/ml、0.7ng/ml、0.8ng/ml、0.9ng/ml、1.0ng/ml、1.1ng/ml、1.2ng/ml、1.3ng/ml、1.4ng/ml、または1.5ng/mlである。1つの態様では、対照レベルは未希釈の血清において測定される。]
[0045] 別の態様では、試験被験体における可溶性CD200のレベルは、1.5ng/ml、1.6ng/ml、1.7ng/ml、1.8ng/ml、1.9ng/ml、または2.0ng/mlを上回る。1つの態様では、試験試料は未希釈の血清である。]
[0046] 他の態様では、生物学的液体は濃縮される。さらなる他の態様では、生物学的液体は希釈される。可溶性CD200のレベルは、特定の態様では、標準物または標準曲線を使用して測定される。当業者は、試料が、検出される可溶性CD200のレベルが標準曲線の直線部分に入るように調製される(例えば濃縮されるまたは希釈される)ことを認識する。]
[0047] 作用物質は、可溶性CD200に結合する任意の作用物質であり得る。特定の態様では、作用物質は、単離されたポリペプチドである。他の態様では、作用物質は抗体である。作用物質は、任意で、可溶性CD200のレベルを測定するために有用な検出試薬、ならびに/またはCD200のレベル上昇を有する被験体および/もしくは細胞性CD200を過剰発現する細胞を有する被験体を処置するために有用な処置試薬である。]
[0048] 本明細書で使用される「単離されたポリペプチド」という用語は、ペプチド、ポリペプチド、あるいは組換えにより産生された場合は細胞物質もしくは培地を実質的に含有しない、または化学合成された場合は化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含有しないポリペプチドなどの、ポリペプチド性(polypeptideaceous)作用物質を指す。]
[0049] 本開示のアッセイ法において標的とされる可溶性CD200は、細胞性CD200の細胞外ドメインに対して産生される抗体と免疫反応性であるポリペプチド実体である。したがって、態様では、本アッセイ法は、可溶性CD200を標的とし、かつ可溶性CD200に結合する作用物質として、細胞性CD200の細胞外ドメインに結合する抗体を利用する。態様では、前記抗体は、ヒトCD200の細胞外ドメインに結合する抗体である。前記のように、CD200のヒト形態は、UniProtアクセッション番号P41217を有するポリペプチドであり、成熟形態では、切断された分泌シグナル(残基1〜30)および本質的にまたはおおよそ残基31〜232からなる細胞外ドメインを含む、プロセシングされていない278merのポリペプチドである。可溶性CD200に結合する本アッセイ法において有用な抗体は、したがって、UniProt配列P41217の残基31〜232の配列を実質的に有する(該配列と少なくとも95%同一、例えば96%、97%、98%、99%同一である)ポリペプチドに結合するものである。]
[0050] ヒトおよび他の形態のCD200の細胞外ドメインに結合する抗体は文献に記述されており、商業的に入手可能である。これらの市販の抗体は、AbD SerotecおよびLifespan Biosciencesからのマウス抗ヒトCD200モノクローナル抗体、ならびにAbnova CorporationおよびAbnovusからのマウス抗ヒトCD200ポリクローナル抗体を含む。マウス抗ヒトCD200抗体はまた、HRP結合二次抗体と共に包装されて、Raybiotechからも入手可能であり、これは本開示の態様において特に有用である。]
[0051] 可溶性CD200に結合する本アッセイ法において有用な抗体は、選択的に、本明細書で例示されるLy5細胞のような、膜結合性または細胞性形態のCD200を呈示する無傷細胞を抗原として使用して、新たに作製され得ることは理解されると考えられる。あるいは、抗原は、CD200の細胞外ドメインの単離形態であり得るか、または細胞外ドメインに対して選択的な抗体を産生するために有用なその任意の免疫原性フラグメントであり得るか、またはKLHもしくはFc融合物などの、細胞外ドメインもしくはフラグメントと抗原に対する免疫応答を増強する担体とを含む融合ポリペプチドであり得る。ワクチン接種のために、作用物質はさらに、選択宿主において抗体を産生するために適切な、フロイントアジュバントなどの任意のアジュバントと共に製剤化され得る。抗体産生宿主は、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジまたはヤギなどの任意の適切な哺乳動物であり得る。当技術分野において広く確立されている免疫スケジュールに従って、細胞外ドメインを親和性リガンドとして使用して血液から所望のポリクローナル抗体を抽出することができる。モノクローナル抗体を形成するには、免疫動物からの脾細胞を、次に、選択した不死化パートナーと融合し、CD200細胞外ドメインを親和性リガンドとして使用する選択によって、抗体産生細胞を同定することができる。]
[0052] より具体的には、CD200に対する抗体はまた、参照により本明細書に組み入れられる、KohlerおよびMilstein, Nature 256, 495(1975)によってならびに米国再発行特許第32,011号;米国特許第4,902,614号;同第4,543,439号;および同第4,411,993号において記述されているもののような、当技術分野において公知の技術を用いて作製し得る(同じく参照により本明細書に組み入れられる、Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biological Analyses, Plenum Press, Kennett, McKearn, およびBechtol(eds.). 1980ならびにAntibodies: A Laboratory Manual, HarlowおよびLane(eds.). Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988も参照のこと)。本開示の文脈において、抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント(例えばFabおよびF(ab')2)、ならびに組換えにより産生された結合パートナーを包含すると理解される。]
[0053] 抗体を作製するための従来の方法が使用できる。例えば、CD200タンパク質を使用することにより、ポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体が標準的な方法を用いて作製できる。哺乳動物(例えばマウス、ハムスターまたはウサギ)を、哺乳動物において抗体応答を誘発するCD200タンパク質の免疫原性形態で免疫することができる。ペプチドに免疫原性を付与するための技術は、担体への結合または当技術分野において周知の他の技術を含む。例えば、アジュバントの存在下でペプチドを投与することができる。免疫化の進行は、血漿または血清中の抗体力価の検出によってモニターできる。標準的なELISA法または他の免疫アッセイ法の手順が、免疫原を抗原として抗体のレベルを評価するために使用できる。免疫後、抗血清を得ることができ、所望する場合は、該血清からポリクローナル抗体を単離することができる。]
[0054] モノクローナル抗体を作製するためには、抗体産生細胞(リンパ球)を免疫動物から採取し、標準的な体細胞融合手順によって骨髄腫細胞と融合して、それによりこれらの細胞を不死化し、ハイブリドーマ細胞を生成してもよい。そのような技術は当技術分野において周知である(例えば、KohlerおよびMilstein(Nature 256, 495-497(1975))によって最初に開発されたハイブリドーマ技術、ならびにヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら, Immunol. Today 4, 72(1983));ヒトモノクローナル抗体を作製するためのEBV-ハイブリドーマ技術(Coleら, Monoclonal Antibodies in Cancer Therapy (1985) Allen R. Bliss. Inc,. 77-96頁);およびコンビナトリアル抗体ライブラリーのスクリーニング(Huseら, Science 246, 1275(1989))などの他の技術)。ハイブリドーマ細胞は、CD200タンパク質と特異的に反応性である抗体の産生について免疫化学的にスクリーニングすることができ、かつモノクローナル抗体を単離することができる。それ故、本開示はまた、CD200に対して特異性を有するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を企図する。]
[0055] 本明細書で使用される「抗体」という用語は、同じくCD200またはそのペプチドと特異的に反応するそのフラグメントを包含することが意図されている。抗体は、従来の技術を用いてフラグメント化することができ、フラグメントは、前述したのと同じ方法で有用性についてスクリーニングし得る。例えば、F(ab')2フラグメントは、抗体をペプシンで処理することによって生成できる。生じたF(ab')2フラグメントを、ジスルフィド架橋を還元するように処理して、Fab'フラグメントを作製し得る。]
[0056] キメラ抗体誘導体、すなわち非ヒト動物可変領域とヒト定常領域とを組み合わせた抗体分子も、本開示の範囲内で企図される。キメラ抗体分子は、例えば、ヒト定常領域と、マウス、ラットまたは他の種の抗体からの抗原結合ドメインとを含み得る。従来の方法が、CD200タンパク質を認識する免疫グロブリン可変領域を含むキメラ抗体を作製するために使用され得る(例えば、Morrisonら, Proc. Natl Acad. Sci. U.S.A. 81. 6851(1985);Takedaら, Nature 314, 452(1985);Cabillyら, 米国特許第4,816,567号;Bossら, 米国特許第4,816,397号;Tanaguchiら, 欧州特許公開公報EP171496;欧州特許公開公報0173494、イギリス特許GB2177096B参照)。]
[0057] 本明細書で述べるCD200と特異的に反応性であるモノクローナルまたはキメラ抗体は、可変領域の部分、特に抗原結合ドメインの保存されたフレームワーク領域がヒト起源であり、超可変領域だけが非ヒト起源である、ヒト定常領域キメラを作製することによってさらにヒト化することができる。そのような免疫グロブリン分子は、当技術分野において公知の技術(例えば、Tengら, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 80, 7308-7312(1983);Kozborら, Immunology Today, 4, 7279(1983);Olssonら, Meth. Enzymol., 92, 3-16(1982);およびPCT国際公開公報第92/06193号またはEP0239400)によって作製し得る。ヒト化抗体はまた、商業的に生産され得る(Scotgen Limited, 2 Holly Road, Twickenham, Middlesex, Great Britain)。]
[0058] CD200に対して反応性の特異的抗体または抗体フラグメントはまた、細菌において発現される免疫グロブリン遺伝子またはその部分をコードする発現ライブラリーを、本開示の核酸分子から作製されるペプチドでスクリーニングすることによっても生成され得る。例えば、完全なFabフラグメント、VH領域およびFV領域が、ファージ発現ライブラリーを使用して細菌において発現され得る(例えばWardら, Nature 341, 544-546:(1989);Huseら, Science 246, 1275-1281(1989);およびMcCaffertyら, Nature 348, 552-554(1990)参照)。]
[0059] 可溶性CD200を標的とする抗体を使用することの代替策として、可溶性CD200に対して親和性および結合選択性を有する任意の作用物質が、可溶性CD200をアッセイするために有用であることは理解されると考えられる。態様では、可溶性CD200結合作用物質は、CD200受容体またはその任意の可溶性CD200結合フラグメントである。ヒトCD200受容体は、実質的に、UniProtアクセッション番号Q6IS95において提供される348アミノ酸の配列を有する。可溶性CD200を標的とする作用物質としての使用のために、受容体またはその細胞外CD200結合ドメインを、この目的のための確立された発現システムを使用して組換え産物として産生できる。組換え産物としてのCD200受容体の可溶性形態の産生は、例えば、参照により本明細書に組み入れられる、国際公開公報第2002/088164号でDe Vriesらによって述べられている。発現産物の精製は、Acris Antibodies GmbHより入手可能なマウス抗ヒトCD200R MAbなどの受容体抗体を使用して達成され得る。]
[0060] 本出願はまた、可溶性CD200を検出するための「ペプチド模倣体(peptide mimetic)」の使用を企図する。ペプチド模倣体は、分子間の相互作用においてペプチドの代用物として働く構造体である(総説についてはMorganおよびGainor. (1989), Ann. Reports Med. Chem. 24:243-252参照)。ペプチド模倣体は、アミノ酸および/またはペプチド結合を含んでもよくまたは含まなくてもよいが、本出願において述べるバイオマーカーのポリペプチド産物に特異的な結合作用物質の構造および機能特徴を保持する合成構造体を包含する。ペプチド模倣体はまた、ペプトイド、オリゴペプトイドを包含する(Simon, R.J.ら, Peptoids: a modular approach to drug discovery. Proc. Natl. Acad Sci. U.S.A (1992) 89, 9367-9371)。]
[0061] 作用物質は、別の態様では、アプタマーである。アプタマーは、SELFXアプローチ(指数的濃縮によるリガンドの系統的進化)を使用して、DNA分子の425のランダム配列の25merライブラリーなどのライブラリーから同定できる。]
[0062] 本明細書で使用される「アプタマー」という用語は、抗原、例えば可溶性CD200に結合することができる短いオリゴヌクレオチドを意味する。前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも75、60、50、40、30、25、20、15、または10塩基対の長さであり得る。「オリゴヌクレオチド」という用語は、DNAおよびRNAを含み、二本鎖または一本鎖であり得る。1つの態様では、オリゴヌクレオチドはDNAである。さらなる態様では、オリゴヌクレオチドは一本鎖DNAである。この用語は、天然に存在する塩基、糖、および糖間(骨格)結合からなるヌクレオチドまたはヌクレオシドモノマーの任意のオリゴマーまたはポリマーを包含する。この用語はまた、天然に存在しないモノマーを含む修飾または置換されたオリゴマーまたは同様に機能するその部分を包含する。そのような修飾または置換されたオリゴヌクレオチドは、増強された細胞取込みまたはヌクレアーゼの存在下での増加した安定性などの性質のために、天然に存在する形態よりも好ましいと考えられる。この用語はまた、2つまたはそれ以上の化学的に別個の領域を含むキメラオリゴヌクレオチドを包含する。例えば、キメラオリゴヌクレオチドは、有益な性質(例えば増加したヌクレアーゼ抵抗性、細胞への増加した取込み)を付与する修飾ヌクレオチドの少なくとも1つの領域を含み得るか、または2つもしくはそれ以上のオリゴヌクレオチドが結合してキメラオリゴヌクレオチドを形成し得る。]
[0063] 本開示のアプタマーは、リボ核酸またはデオキシリボ核酸であり得、アデニン、グアニン、シトシン、チミジンおよびウラシルを含む天然に存在する塩基を含有し得る。オリゴヌクレオチドはまた、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチル、2-プロピルおよび他のアルキルアデニン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、6-アザウラシル、6-アザシトシンおよび6-アザチミン、シュードウラシル、4-チオウラシル、8-ハロアデニン、8-アミノアデニン、8-チオールアデニン、8-チオールアルキルアデニン、8-ヒドロキシルアデニンおよび他の8-置換アデニン、8-ハログアニン、8-アミノグアニン、8-チオールグアニン、8-チオールアルキルグアニン、8-ヒドロキシルグアニンおよび他の8-置換グアニン、他のアザおよびデアザウラシル、チミジン、シトシン、アデニン、またはグアニン、5-トリフルオロメチルウラシルならびに5-トリフルオロシトシンなどの修飾塩基を含有し得る。]
[0064] アプタマーは、リン酸骨格内、短鎖アルキルもしくはシクロアルキル糖間結合内、または短鎖ヘテロ原子もしくは複素環式糖間結合内に、修飾リン、酸素ヘテロ原子を含み得る。例えば、アプタマーは、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル、メチルホスホネートおよびホスホロジチオエートを含み得る。本開示の1つの態様では、4〜6個の3'末端塩基の間を連結するホスホロチオエート結合が存在する。別の態様では、ホスホロチオエート結合がすべてのヌクレオチドを連結する。]
[0065] アプタマーはまた、治療試薬または実験試薬としてより適すると考えられるヌクレオチド類似体を含み得る。オリゴヌクレオチド類似体の一例は、DNA(またはRNA)におけるデオキシリボース(またはリボース)リン酸骨格が、ペプチドで認められるものに類似するポリアミド骨格で置換されている、ペプチド核酸(PNA)である(P.E. Nielsenら, Science 1991, 254, 1497)。PNA類似体は、酵素による分解に対して抵抗性であり、インビボおよびインビトロで長い寿命を有することが示された。PNAはまた、PNA鎖とDNA鎖の間に電荷反発がないため相補的DNA配列により強く結合する。他のオリゴヌクレオチドは、ポリマー骨格、環式骨格または非環式骨格を含有するヌクレオチドを含み得る。例えば、ヌクレオチドはモルホリノ骨格構造を有し得る(米国特許第5,034,506号)。オリゴヌクレオチドはまた、レポーター基、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはアプタマーの薬力学特性を改善するための基などの基を含み得る。アプタマーはまた、糖模倣体を有し得る。]
[0066] アプタマーは、当技術分野において公知の手順を使用した化学合成および酵素的連結反応を用いて構築され得る。本開示のアプタマーまたはそのフラグメントは、天然に存在するヌクレオチド、または分子の生物学的安定性を増加させるもしくはタンパク質-DNA相互作用(例えばホスホロチオエート誘導体とアクリジン置換ヌクレオチド)の物理的安定性を増加させるように設計された、様々に修飾されたヌクレオチドを使用して化学合成され得る。アプタマーオリゴヌクレオチド配列は、アプタマー配列が高効率調節領域の制御下で産生され、その活性が、ベクターが導入される細胞型によって決定され得る、組換えプラスミド、ファージミドまたは弱毒化ウイルスの形態で細胞に導入される発現ベクターを使用して、生物学的に産生され得る。]
[0067] 必要な結合活性は、任意で、「電気泳動移動度シフトアッセイ法(EMSA)」によりアプタマーと可溶性CD200との間で結合が起こるかどうかを同定することによって決定される。1つの態様では、有用なオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドが可溶性CD200と複合体形成し、6%ポリアクリルアミドプレキャストDNA遅延ゲルなどのDNA遅延ゲルでのオリゴヌクレオチド電気泳動移動度に上方シフトを生じさせる場合に同定される。選択されるアプタマーについての閾値は、低いピコモル親和性から1マイクロモルまで(1マイクロモルを含む)にわたる結合能力を有すると考えられる。当業者は、フローサイトメトリー、二光子共焦点顕微鏡検査およびBIAコアを含む他の方法も有用な変異体を同定するために使用できることを理解する。]
[0068] 極めて多種多様なアッセイ形式がポリペプチド標的を検出するために有用に採用でき、これらの形式の任意のものを、可溶性CD200を検出するために使用できることは理解されると考えられる。態様では、可溶性CD200アッセイ法は、いわゆるサンドイッチEIAまたは酵素結合免疫吸着測定法(ELISA法)などの、酵素免疫アッセイ法である。その最も簡単な形態では、アッセイ法はウエスタン形式を用いて実施でき、この形式では、試料をニトロセルロースなどの適切な基質上に乾燥させ、次に乾燥させた試料を、直接標識したか、または検出可能標識を含有しかつ可溶性CD200結合作用物質に対して結合親和性を有する二次抗体とその後反応させたかの、いずれかの可溶性CD200結合作用物質を用いて、プロービングする。バックグラウンドおよび非結合試薬を除去するために適切な段階で洗浄を導入する。選択的に、アッセイ法は、マイクロタイターウェルに結合した、またはラテックスなどのビーズまたは磁気ビーズもしくは蛍光ビーズを含む他のビーズに結合した可溶性CD200抗体などの、固相に結合した捕捉作用物質を用いて実施できる。試料と捕捉作用物質を混合した後、結合複合体をバックグラウンドから分離し、捕捉作用物質とは異なる部位で可溶性CD200に結合する検出作用物質と反応させる。三元複合体を単離または洗浄した後、検出作用物質に付随する標識の存在によって可溶性CD200の存在を明らかにする。検出作用物質上に標識が存在しない場合は、検出試薬を結合してそれを組み込む二次抗体、または適切な検出可能標識をもたらすことができる二次抗体を使用して、その存在を確証することができる。]
[0069] 様々な標識が、可溶性CD200結合作用物質の存在を明らかにし、それによって結合可溶性CD200の存在を示すために適切であることは理解されると考えられる。そのような標識は、ニトロセルロース細片に基づくアッセイ法を使用する場合に特に有用なコロイド状金、ならびに放射性同位体、蛍光マーカー、発光マーカー、シトクロム、発色基質を触媒する酵素等を含む。例えば、標識は、放射線不透過性であってもよく、または3H、14C、32P、35S、123I、125I、131Iなどの放射性同位体;フルオレセインイソチオシアネート、ローダミンまたはルシフェリンなどの蛍光(蛍光発色団(fluorophore))または化学発光(発色団)化合物;ビオチン、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼなどの酵素;造影剤;または金属イオンであってもよい。]
[0070] 本開示の1つの態様では、可溶性CD200は、
a)可溶性CD200を含むかまたは含むことが疑われる試料を得る段階;
b)試料を、固相に結合している可溶性CD200結合捕捉試薬と混合する段階;
c)混合物を洗浄する段階;
d)洗浄した混合物を、可溶性CD200捕捉試薬とは異なる部位で可溶性CD200に結合する可溶性CD200検出試薬と混合する段階;
e)生じた混合物を洗浄する段階;および
f)捕捉試薬、可溶性CD200、および検出試薬の間での複合体の形成を測定する段階であって、複合体の存在によって、試料中の可溶性CD200の存在が明らかになる、段階
を実施することによってアッセイされる。]
[0071] そこで、態様では、試料は、ヒト血清試料を含む、血清試料である。他の態様では、捕捉試薬は可溶性CD200抗体である。他の態様では、検出試薬は、捕捉試薬によって結合される部位とは異なる部位で可溶性CD200に結合する可溶性CD200抗体であり、そのため両方の抗体が同時に可溶性CD200に結合することができる。他の態様では、検出試薬は検出可能に標識されている。他の態様では、検出試薬は、標識されておりかつ検出試薬に結合する作用物質を用いて、検出される。]
[0072] 他の態様では、標識は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を含む酵素である。]
[0073] 1つの態様では、アッセイ法は免疫アッセイ法である。1つの態様では、免疫アッセイ法はELISA法(sCD200約20pgの感受性閾値)である。当業者は、免疫アッセイ法が、希釈後に任意のより高い量を検出し得ることを認識する。別の態様では、アッセイ法によって検出されるダイナミックレンジは約50〜500pg/mlである。1つの態様では、検出限界は約200pg/mlである。]
[0074] 可溶性CD200の検出は、細胞性CD200を過剰発現する細胞に関連する医学的状態を含む、CD200のレベルの上昇に関連する医学的状態を呈する被験体を同定するために特に有用である。現在、そのような状態は、様々な形態の造血器癌、特に白血病、リンパ腫および多発性骨髄腫を含むことは公知である。加えて、黒色腫、特に進行性黒色腫(aggressive melanoma)は細胞性CD200の発現増加に関連する。癌は、増加したレベルのCD200を発現する任意の種類の癌であり得、造血細胞癌(白血病およびリンパ腫を含む)、結腸癌、肺癌、腎癌、膵癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、口腔癌、喉頭癌、肝細胞癌、胆管癌、扁平上皮癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫、および抗原性または弱抗原性である任意の他の腫瘍を含むが、それらに限定されるわけではない。これは、例えばEBV誘導性腫瘍、および免疫抑制患者、例えば移植患者、AIDS患者等において生じる腫瘍、および/または免疫抑制に関連する腫瘍を含み得る。]
[0075] 理論に拘束されることを望むものではないが、可溶性CD200のレベルは、被験体における膜結合性CD200のレベルを反映する場合があり、または反映しない場合もある。例えば、可溶性CD200のレベルはCD200の細胞レベルの代用となり得る。しかし、脱落が異なり得るので、膜結合性のレベルが対照と比べて検出可能に上昇していなくても可溶性CD200が上昇することがある。したがって、可溶性CD200を検出することは、細胞表面CD200を検出する技術によっては容易に検出されない、CD200の細胞性過剰発現増加および/またはCD200の脱落増加を検出することを可能にするので、特に有用である。]
[0076] 1つの態様では、癌は、腎癌、頭頸部癌、精巣癌、悪性中皮腫、結腸癌、およびMGUS/くすぶり型骨髄腫(smoldering myeloma)から選択される。別の態様では、癌は胸腺腫または骨髄性腫瘍である。]
[0077] 加えて、多くの他の医学的状態がCD200の過剰発現と関連性を有して出現し得ることは理解されると考えられる。例えば、CD200は免疫抑制被験体および/または免疫欠損個体において増加する。移植拒絶反応は、移植片に対する免疫反応の増加に関連し、移植後の生存または耐性は、移植片に対する免疫反応増加およびCD200のレベルの増加の抑制に関連する。可溶性CD200のレベルを検出することは、移植後の生存および/または耐性をモニターするために有用である。]
[0078] したがって、本開示は、これらの患者を、一般に細胞性CD200を過剰発現する細胞を有するかまたは有することが疑われる被験体の集団として評価するために有用な方法を提供する。これらの被験体におけるそのような細胞の存在は、最初に、所望する場合は、組織または細胞生検で実施される免疫組織化学的方法を用いて、またはその表面上に対照よりも高いレベルのCD200を有する細胞を明らかにする細胞選別法によって判定することができる。しかし、そして本開示に従って、これらの被験体の生物学的液体を、選択的にまたは組み合わせて、本明細書で述べるインビトロベースの診断の、より侵襲性が低く、より迅速な手順を使用して、可溶性CD200について評価することができる。]
[0079] 本アッセイ法が有用に適用され得る被験体は、それ故、細胞性CD200の上昇が確認されているかまたは疑われるかのいずれかの医学的状態を有する被験体すべてを含む。態様では、スクリーニングのために選択される被験体は、癌の形態、特に腫瘍細胞がCD200を過剰発現する造血器癌を呈するかまたはその危険性がある亜集団に属するものである。特にこれらの患者は、可溶性CD200がこれらの状態についての診断指標となるレベルで血流中に「脱落される」ことが認められた。]
[0080] 可溶性CD200についてアッセイされる試料は、特に、慢性リンパ性白血病(CLL)および急性骨髄性白血病(AML)および多発性骨髄腫(MM)を含む造血器癌を呈するかまたは有することが疑われる患者から抽出された生物学的液体試料を含む。可溶性CD200についてアッセイされる他の試料は、黒色腫、特に転移性黒色腫、腎癌、頭頸部癌、精巣癌、悪性中皮腫、結腸癌、およびMGUS/くすぶり型骨髄腫を呈するかまたは有することが疑われる患者から得られた生物学的液体試料を含む。可溶性CD200についてアッセイされるさらなる他の試料は、感染を示す患者を含み得る、細胞がCD200を過剰発現する任意の他の医学的状態を呈する患者から抽出された生物学的液体試料である。]
[0081] 態様では、診断は、可溶性CD200のレベルが試験被験体において対照被験体におけるよりも少なくとも2、3、4または5倍高い場合に陽性である。好ましい態様では、可溶性CD200のレベルは、1、2、3、もしくはそれ以上の対数オーダー、または標準偏差分、対照よりも高い場合、診断指標および/または予後指標(prognostic)となる。]
[0082] 被験体の医学的状態の最終的な診断は、可溶性CD200のレベルを、標準的な医学慣例に従い、および特に腫瘍学者に公知のように、被験体が罹患している特定の状態を示すために有用な他の因子と組み合わせて評価した場合に下される。]
[0083] 別の局面では、本開示は、
a)最初の時点で、被験体からの最初の生物学的液体試料中の可溶性CD200のレベルを測定する段階;および
b)最初の時点とは異なる2番目の時点で前記被験体から採取した後続の生物学的液体試料中の可溶性CD200のレベルを比較する段階
を含む、被験体におけるCD200の上昇に関連する医学的状態の進行をモニターするための方法を提供し、ここで、2番目の時点と最初の時点とを比較した場合の可溶性CD200のレベルの差は、状態の進行変化を示す。]
[0084] 前記の差が、最初の時点と比較した2番目の時点での可溶性CD200の増加である場合、状態は進行している。最初の時点と2番目の時点とで可溶性CD200のレベルに差がない場合、状態は進行していない。前記の差が、最初の時点と比較した2番目の時点での可溶性CD200の低下である場合、状態は緩慢化および/または消失しつつある。別の重要な局面では、可溶性CD200の上昇に関して試験陽性の被験体は、その後、本開示に従って、診断された特定状態の処置において有用な作用物質で処置される。1つの態様では、被験体は、CD200:CD200Rシグナル伝達カスケードを阻害する作用物質で処置される。態様では、作用物質は、CD200に結合してCD200を阻害する抗体である。選択的に、または組み合わせて、作用物質は、CD200受容体に結合してCD200受容体を阻害する抗体、すなわちCD200受容体のアンタゴニストである。他の態様では、本アッセイ法によって診断される被験体は、その後、診断された状態を処置する際の使用のために典型的に処方される薬剤を使用して処置される。例えば、診断された状態が慢性リンパ性白血病(CLL)である場合、被験体は化学療法および/またはモノクローナル抗体療法によって処置され得る。フルダラビンまたはクラドリビンが一部の患者についての最初の薬剤処置である。2つのモノクローナル抗体、Rituxan(登録商標)およびCampath(登録商標)も、一部のCLL患者を処置するために使用される。CLLを処置するために使用される一部の他の薬剤は、クロラムブシル、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾンおよびビンクリスチンである。Rituxanは化学療法と共に使用される。フルダラビン、シクロホスファミドおよびRituxanは、一緒に投与し得る薬剤の例である。Campathは、通常、他の薬剤による処置に応答しなかったCLL患者に対して使用される。診断された状態がAMLである場合、被験体は、化学療法、例えばシタラビン(シトシンアラビノシド、ara-C)に加えて、イダルビシンまたはダウノルビシンなどのアントラサイクリンで処置され得る。他の薬剤は、高用量シタラビン、ミトキサントロン、および/またはエトポシドを含み得る。他の療法も使用され得る。診断された状態がMMである場合、被験体は、例えばメルファランおよびプレドニゾンを含む化学療法、幹細胞移植、放射線療法、血漿分離交換法および免疫療法で処置され得る。抗療性疾患を有するMM患者は、例えばペグ化リポソーム封入ドキソルビシン(Doxil(登録商標))を含むドキソルビシンと組み合わせたボルテゾミブ(Velcade(登録商標))で処置され得る。]
[0085] 特段の態様では、本アッセイ法の助けを借りて診断された患者を処置するために使用される作用物質は、CD200:CD200R相互作用を阻害する作用物質である。有用なそのような作用物質は文献に記述されており、CD200Rアンタゴニスト、例えば、CD200R抗体アンタゴニスト、CD200と相互作用するCD200Rの可溶性形態、CD200に結合してCD200Rとのその相互作用を阻害する、CD200に対する抗体等を含む。抗体が治療剤として使用される場合、抗体は、望ましくはヒトFc領域を有し、したがってキメラもしくはヒト化抗体のいずれかであるか、またはヒト抗体である。そのような抗体の標的結合フラグメントも治療剤として有用である。]
[0086] CD200の細胞外ドメインに結合する抗体、ならびに白血病およびリンパ腫などの造血器癌を含む癌を処置するためのそれらの使用は、例えば米国特許第6955891号および米国特許第7238352号においてGorczynskiらによって述べられている。CD200に結合し、癌の処置において有用であり得る他の抗体はまた、国際公開公報第2007/084321号においてBowdishらによっても記述されている。これらの開示は参照により本明細書に組み入れられる。]
[0087] CD200Rに結合し、かつCD200Rに拮抗する抗体、および癌を処置する上でのそれらの使用は、参照により本明細書に組み入れられる、国際公開公報第00/70045号においてBarclayらによって述べられている。]
[0088] CD200を介したCD200Rの刺激を低減する他の作用物質は、それらの抗癌のための使用と共に、参照により本明細書に組み入れられる前記のDe Vriesらによって記述されているCD200Rの可溶性形態を含む。]
[0089] 本開示に従って、本アッセイ法は、そのような治療の間の異なる時点で被験体から抽出した生物学的液体試料中の可溶性CD200の相対的レベルを評価することにより、そのような治療の間の状態の進行または退縮をモニターするために有用である。さらに、本アッセイ法は、所与の被験体が、可溶性CD200のレベルが対照を上回る場合に指示される、そのような治療に入るべきか否かを明らかにし得る。例えば、治療の後のCD200のレベルの低下は、陽性治療応答および/または処置効果を示す。治療の後のCD200のレベルの増加は、陰性治療応答および/または処置の失敗を示す。]
[0090] 「処置効果」および/または「陽性治療応答」という用語は、本明細書で使用される場合、有益なまたは所望の臨床結果を得ることを意味する。有益なまたは所望の臨床結果は、検出可能であるか検出不能であるかにかかわらず、1つまたは複数の症状または状態の緩和または改善、疾患の程度の軽減、疾患の安定な(すなわち悪化しない)状態、疾患の拡大の防止、疾患の進行の遅延または緩慢化、疾患状態の改善または緩和、および寛解(部分的または全面的)を含み得るが、それらに限定されるわけではない。例えば、バイオマーカーレベルに変化がないことは、疾患の安定化および/または疾患の進行の防止を示し得る。「処置効果」はまた、処置を受けていない場合の予想生存期間と比較した生存期間の延長も意味し得る。]
[0091] 本明細書で使用される「処置の失敗」または「陰性治療応答」という用語は、処置効果および/または陽性治療応答が得られないことを指す。]
[0092] 本開示の別の局面は、可溶性CD200のレベルを測定するために被験体からの生物学的液体をアッセイする段階、および参照レベルと比較する段階を含む、CLLなどの癌を有する被験体において予後を判定するための方法に関連し、ここで、参照レベルを上回るレベルは、予後不良を示す。1つの態様では、癌は造血器癌である。別の態様では、癌はCLLである。別の態様では、癌はAMLである。さらに別の態様では、癌は多発性骨髄腫である。予後不良のCLL患者は有意に高いレベルの可溶性CD200を示すことが本明細書で実証される。図4に示すように、未希釈の血清において1ng/mlより高いおよび/または約3標準偏差高い可溶性CD200のレベルを有する患者は、CLL被験体における予後不良に関連する、有意に高い白血球数(WBC)を示した(p<0.0001)。可溶性CD200はまた、黒色腫、胸腺腫、腎癌、頭頸部癌、精巣癌、悪性中皮腫、結腸癌、骨髄性腫瘍、およびMGUS/くすぶり型骨髄腫などの他の癌においても予後指標となると予想される。各々の場合に、可溶性CD200のレベル増加は予後不良に関連するか、または予後不良の徴候である。]
[0093] 本明細書で使用される「予後不良」という用語は、より進行性のおよび/またはより処置が難しい疾患形態に関連する予後を指す。例えば、進行性でより処置が難しい形態は、より進行性でないおよび/または処置可能な形態よりも低い生存率を有する。]
[0094] 本明細書で使用される「参照レベル」という語句は、低いWBC数、例えば未希釈の血清100μl当たり15.5の平均WBCおよび/または未希釈の血清100μl当たり約20未満の平均WBCに関連する可溶性CD200のレベルを指す。]
[0095] 特定の態様では、参照レベルは約1ng/mlである。他の態様では、参照レベルは、15.5、20、25、30、35、40、45、または50の平均白血球数を有するCLL患者における可溶性CD200のレベルよりも約1、2、または3標準偏差高い平均レベルである。]
[0096] アッセイ法は、可溶性CD200に結合する作用物質を含む1つまたは複数の異なる、別々に包装された作用物質を、本開示のアッセイ法を実施する際のその使用のための指示書と共に含む、キットの形態で提供され得る。任意で、キットは、アッセイ法における対照または較正物質または標準物としての使用のための単離形態のCD200の細胞外ドメインおよび/またはその部分の一定量をさらに含み得る。キットは、病院または臨床検査室において一般的に利用可能な装置を用いて検出できる標識試薬および他の反応物を含む、付加的な試薬をさらに含み得る。]
[0097] 上記開示は本開示を一般的に説明している。以下の特定の実施例を参照することによりさらに完全な理解を得ることができる。これらの実施例は単に説明のために述べるものであり、本開示の範囲を限定することを意図しない。形態の変化および等価物の置換は、状況が示唆し得るまたは好都合とし得る場合は企図される。特定の用語が本明細書で使用されているが、そのような用語は説明的な意味で意図されるものであり、限定のためではない。]
[0098] 以下の非限定的な実施例は本開示の説明である。]
[0099] 以下の実施例において、実施例1は、可溶性CD200の存在について血清試料で実施されるアッセイの較正および照らし合わせ(control)において有用な参照標準としての、CD200の細胞外ドメインを検出するために有用なインビトロ診断アッセイを述べる。実施例2は、CD200を構成的に発現することが公知の培養CLLLy5細胞の上清における可溶性CD200の検出を述べる。実施例3は、CLLを呈する患者および健常志願者から得た血清試料における可溶性CD200の検出のための本アッセイ法の適用を述べる。]
[0100] 実施例1
CD200の可溶性形態を検出するためにELISA法の形式を開発した。各々のELISAプレート(96ウェル、EIA/RIA, Corning)について、捕捉抗体1B9(ラット抗ヒトCD200 抗体、5μg/ml)10ml(500ng)を、コーティング緩衝液(Tris-HCl、pH 8.1)での希釈によって調製した。プレートの各々のウェルに100μlを添加した。調製したプレートを、次に、4℃で一晩インキュベートした。]
[0101] その翌日、ELISAプレートを裏返すことによって残りの溶液を廃棄し、各ウェルにつき洗浄緩衝液(PBS+0.01% Tween 20)300μlを使用してプレートを3回洗浄した。]
[0102] 抗原標準物を、CD200の細胞外ドメインを含むFc融合タンパク質として入手し、PBS中の5%FBSから成るブロッキング緩衝液を希釈剤として使用して様々な濃度(50pg/ml〜500pg/ml)に希釈した。各々のウェルに標準抗原100μlを添加した。ヒト血清試料については、各ウェルにつき未希釈の血清100μlを添加する。次にプレートを室温で2時間インキュベートし、その後ウェルを吸引して、プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄した。]
[0103] 検出抗体(ウサギ抗hCD200血清-抗Fcで吸収)を、次に、ブロッキング緩衝液を希釈剤として使用して1:500希釈で調製した。その後検出抗体溶液100μlを各ウェルに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。次にウェルを吸引し、プレートを洗浄緩衝液で6回洗浄した。]
[0104] 二次抗体(ヤギ抗ウサギIgG-HRP、Jackson)を、次に、ブロッキング緩衝液中1:30,000希釈で調製し、二次抗体100μlを各々のウェルに添加して、その後室温で30分間インキュベートした。次にウェルを吸引し、洗浄緩衝液で7回洗浄した。]
[0105] 結合HRP標識を視覚化するため、TMB基質100μlを各ウェルに添加した。色の変化が認められれば直ちに、通常はTMBの添加から約1分以内に、停止溶液(2M H2SO4、50μl)を添加し、色の変化(光学密度)を記録した。結果を図1に提示しており、これらの条件下での標準曲線を示す。]
[0106] 実施例2
上述したアッセイ法を、次に、CD200が構成的に発現しているCLL細胞株であるLy5細胞を使用した実験において適用した。Ly5細胞を無血清培地で培養し、上清を可溶性CD200の存在についてアッセイした。図2に示すように、可溶性CD200が培養後3時間以内に無細胞Ly5上清中で検出された。CLL株であるLy2を同様に検査した場合、可溶性CD200を認めなかった。Ly2株はいかなる有意レベルでも細胞性CD200を産生しない。]
[0107] 実施例3
上述したアッセイ法を、次に、男性16名対女性12名の類似の現れ(representation)を有する45〜81歳の年齢範囲のCLLと診断された患者(n=28)から得た血清試料(未希釈の血清の100μlアリコート)に適用した。対照試料は、30〜50歳の年齢範囲の健常志願者(n=27)から得た。すべてのp値をマン・ホイットニー検定から得た。]
[0108] 結果を図3および4に示す。]
[0109] 図3のパネルAおよびBに示すように、CLL患者は健常対照と比較して有意に高いレベルの可溶性CD200を示した。図4に示すように、健常対照の平均(<1ng/ml)よりも3標準偏差高い可溶性CD200のレベル(>1ng/ml)を有するCLL患者は、CLL被験体における予後不良に関連する、有意に高い白血球数(WBC)を示した。]
[0110] それ故、血清中で認められるCD200の可溶性形態は、CD200の過剰発現に関連する、CLLなどの医学的状態の診断において有用なバイオマーカーであることが理解されると考えられる。血清においてCD200を同定したことから、本開示は、細胞性CD200が過剰発現している被験体を同定するための比較的簡単な方法を提供し、それによって細胞選別または生検ベースの免疫組織化学などの、細胞に担持されたCD200を標的とする、より高度な技術に基づく診断の必要性を回避する。]
実施例

[0111] すべての出版物、特許および特許出願は、各々個々の出版物、特許および特許出願が具体的かつ個別にその全体が参照により本明細書に組み入れられることが示されているのと同じように、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。]
权利要求:

請求項1
可溶性CD200のレベルを測定するために被験体からの生物学的液体をアッセイする段階を含む、CD200のレベルの上昇を有する被験体を同定するための方法であって、対照を上回るレベルによって、被験体がCD200のレベルの上昇を有することが示される、方法。
請求項2
可溶性CD200のレベルを測定するために被験体からの生物学的液体をアッセイする段階を含む、CD200を過剰発現する細胞を有する被験体を同定するための方法であって、対照を上回るレベルによって、前記細胞の存在が示される、請求項1記載の方法。
請求項3
a)被験体から生物学的液体試料を得る段階;およびb)前記試料中の可溶性CD200のレベルを測定する段階を含む、CD200の上昇に関連する医学的状態を有するかまたはその危険性がある被験体を同定するための方法であって、対照を上回る可溶性CD200のレベルによって、被験体が前記医学的状態を有するかまたはその危険性があることが示される、請求項1記載の方法。
請求項4
a)最初の時点で、被験体からの生物学的液体試料中の可溶性CD200のレベルを測定する段階;およびb)前記所与の時点とは異なる2番目の時点で前記被験体から採取した生物学的液体試料中の可溶性CD200のレベルを比較する段階を含む、被験体におけるCD200の上昇に関連する医学的状態の進行をモニターするための方法であって、2番目の時点と最初の時点とを比較した場合の可溶性CD200のレベルの差によって、状態の進行変化が示される、請求項1記載の方法。
請求項5
a)請求項1〜3のいずれか一項記載の方法によって測定される通りに、細胞性CD200(cellular CD200)を過剰発現する細胞を有する被験体を同定する段階、およびb)CD200:CD200R経路を介したシグナル伝達を阻害する作用物質によって、被験体を処置する段階を含む、CD200の過剰発現に関連する医学的状態の進行を制御するために有用な治療方法。
請求項6
a)本開示のアッセイ方法によって測定される通りに、CD200のレベルの上昇を有する被験体を同定する段階、およびb)CD200:CD200R経路を介したシグナル伝達を阻害する作用物質によって、被験体を処置する段階を含む、CD200のレベルの上昇に関連する医学的状態の進行を制御するために有用な、請求項5記載の治療方法。
請求項7
可溶性CD200のレベルを測定するために被験体からの生物学的液体をアッセイする段階、および参照レベルと比較する段階を含む、癌、任意でCLLを有する被験体において予後を判定するための方法であって、参照レベルを上回るレベルによって、予後不良が示される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
請求項8
対照が、0.4ng/ml、0.5ng/ml、0.6ng/ml、0.7ng/ml、0.8ng/ml、0.9ng/ml、1.0ng/ml、1.1ng/ml、1.2ng/ml、1.3ng/ml、1.4ng/ml、または1.5ng/mlである、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
請求項9
試験した被験体において検出される可溶性CD200のレベルが、1.5ng/mlを上回る、任意で1.6ng/mlを上回る、任意で1.7ng/mlを上回る、任意で1.8ng/mlを上回る、任意で1.9ng/mlを上回る、および/または任意で2.0ng/mlを上回る、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
請求項10
参照レベルが1.0ng/mlである、請求項7記載の方法。
請求項11
参照レベルが、15.5、20、25、30、35、40、45または50の平均白血球数を有するCLL被験体における可溶性CD200のレベルよりも約1、2、3標準偏差高い、請求項7記載の方法。
請求項12
生物学的液体が、血液および/または分画された血液を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
請求項13
生物学的液体が血清および/または血漿を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
請求項14
生物学的液体が、尿、気管支肺胞洗浄液(BAL)、唾液、脊髄液、腹水、および/または精液を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
請求項15
生物学的液体が実質的に無細胞である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
請求項16
生物学的液体が未希釈の(neat)血清である、請求項11記載の方法。
請求項17
医学的状態が癌である、請求項2〜5のいずれか一項記載の方法。
請求項18
医学的状態が血液学的悪性疾患、任意でCLL、AML、またはMMである、請求項16記載の方法。
請求項19
癌が黒色腫、任意で進行性黒色腫(aggressive melanoma)または転移性黒色腫である、請求項17記載の方法。
請求項20
癌が胸腺腫または骨髄性腫瘍である、請求項17記載の方法。
請求項21
癌が、腎癌、頭頸部癌、精巣癌、悪性中皮腫、結腸癌、およびMGUS/くすぶり型骨髄腫(smoldering myeloma)からなる群より選択される、請求項17記載の方法。
請求項22
医学的状態が、移植後の生存である、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
請求項23
医学的状態が免疫抑制である、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
請求項24
CD200のレベルが、CD200に結合する抗体を用いて測定される、請求項1〜23のいずれか一項記載の方法。
請求項25
被験体が、CD200とCD200Rとの間の結合を阻害する抗体によって処置される、請求項5または6記載の方法。
請求項26
抗体が、CD200に結合してCD200を阻害する抗体である、請求項25記載の方法。
請求項27
抗体が、CD200Rに結合してCD200Rを阻害する抗体である、請求項25記載の方法。
請求項28
CD200に結合する抗体が、CD200の細胞外ドメインに結合する抗体である、請求項24または27記載の方法。
請求項29
抗体が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、またはキメラ抗体である、請求項24〜28のいずれか一項記載の方法。
請求項30
抗体が、細胞外ドメインのアミノ酸31〜232内、任意でアミノ酸31〜61、62〜91、92〜121、122〜151、152〜181、182〜211、および/または212〜232内に含まれるエピトープに結合する、請求項24〜26のいずれか一項記載の方法。
請求項31
抗体が、1B9抗体によって認識されるエピトープに結合する、請求項24〜30のいずれか一項記載の方法。
請求項32
抗体が1B9である、請求項31記載の方法。
請求項33
抗体が、標識、任意でHRPによって、標識されている、請求項24記載の方法。
請求項34
可溶性CD200のレベルが免疫アッセイ法を用いて測定される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
請求項35
免疫アッセイ法が酵素結合免疫吸着測定法(ELISA法)である、請求項34記載の方法。
請求項36
ELISA法がサンドイッチ型ELISA法である、請求項35記載の方法。
請求項37
CD200の上昇が、膜結合性CD200および/または細胞性CD200の上昇を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
請求項38
CD200の上昇が可溶性CD200を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
請求項39
以下の段階を含む、CD200を過剰発現する細胞を含む医学的状態の診断において有用なアッセイ法:a)被験体から生物学的液体試料を得る段階;b)試料を、可溶性CD200に結合する抗体と反応させる段階;c)結合した可溶性CD200を検出する段階;およびd)試料中の可溶性CD200のレベルを、対照被験体における可溶性CD200のレベルと比較する段階であって、前記医学的状態を有する被験体が、対照被験体における可溶性CD200のレベルと比べて試料中のより高い可溶性CD200のレベルによって示される、段階。
請求項40
以下の段階を含む、CD200のレベルの上昇に関連する医学的状態の診断において有用な、請求項39記載のアッセイ法:a)被験体から生物学的液体試料を得る段階;b)試料を、可溶性CD200に結合する作用物質と反応させる段階;c)結合した可溶性CD200を検出する段階;およびd)試料中の可溶性CD200のレベルを、対照における可溶性CD200のレベルと比較する段階。
請求項41
酵素結合免疫吸着測定法(ELISA法)である、請求項39または40記載のアッセイ法。
請求項42
サンドイッチ型ELISA法である、請求項41記載のELISA法。
請求項43
捕捉抗体および検出抗体を含む、請求項42記載のELISA法。
請求項44
捕捉抗体および/または検出抗体がポリクローナル抗体である、請求項43記載のELISA法。
請求項45
捕捉抗体および/または検出抗体がモノクローナル抗体である、請求項43記載のELISA法。
請求項46
請求項1〜35のいずれか一項記載の方法における使用のための、請求項39〜45のいずれか一項記載のELISA法。
請求項47
可溶性CD200に結合する抗体と、試料中の可溶性CD200のレベルを測定する際のその使用についての指示書とを含む、キット。
請求項48
較正物質または対照として、ヒトCD200の細胞外ドメインまたはその一部の試料をさらに含む、請求項47記載のキット。
請求項49
可溶性CD200抗体に結合する標識二次抗体をさらに含む、請求項47記載のキット。
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